一覧で確認するどこでも活躍できるポータブルスキルとは?【年金不安に打ち勝つ】
どこでも必要とされる人材へ。
営業・事務・総務、どんな仕事をさせても、はっちり成果を出せる人がいます。
また、転職をして全く違う業界・業種に移っても活躍できる人も見かけることがあるのではないでしょうか。
このような優秀な人には、「ポータブルスキル」を持っているという共通した特徴があります。
仕事をする上で、どこでも活躍するための条件、ポータブルスキル。
今回はそのポータブルスキルの考え方・種類・身につけ方をご紹介します。
【この記事を読むメリット 】
- 仕事で能力不足に悩むことがなくなる
それでは今回のコンテンツです。
ポータブルスキルとは
「ポータブルスキル」という言葉があります。
ポータブルスキルは厚生労働省が提示した考え方であり、
業種や職種が変わっても持ち運びができるスキル
のことを指しています。
ポータブル(portable )とは「持ち運べる」という意味ですが、転職をするときや、何か別のことをするときにも活かせる能力をポータブルスキルと呼んでいるのです。
ポータブルスキルが重要な背景
ポータブルスキルが身についていると、職種・業種を問わずに活躍できるというメリットがあります。
長年経験していた仕事を離れても、別の職場で活躍できることで、活躍の可能性が広がるわけです。
これは裏を返すと、年金が期待できなくなっている今、定年してなじんだ職場を離れても「自分で働いて稼げ」という厚労省からのメッセージでもあると考えられます。
格好いいネーミングとは裏腹に、ハードな背景。
ポータブルスキルの種類
では、ポータブルスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的には下記2点に分かれます。
- 仕事のし方
- 人との関わり方
考え方は下の図のとおりです。
1、仕事のし方
仕事のし方のポイントは、一覧を見ると
- 課題を明らかにする
- 計画を立てる
- 実効する
の3つです。
これまでも「問題解決」や「PDCA」という言葉が流行ったことがありますが、その手前の「課題を明らかにする」というステップが入っていることが大きなポイントかと思います。
会社員として仕事をしていると、特に役職のない層は与えられた仕事をこなすのみになりがちです。
そこで、多くの人がスキルを積めていない「課題発見」能力を持つことで他業種でも活躍できるという考えでしょう。
学校教育でも問題の解き方は教わるが、問題の見つけ方は習わない。社会に出たら課題発見の方が重要。
仕事のし方 - ポータブルスキル一覧
それぞれの観点で、求められるスキルは以下のとおりです。
# | 分類 | 成果をあげるために必要な行動 | 特に重要なスキル | |
---|---|---|---|---|
1 | 仕事のし方 | 課題を明らかにする | 現状の把握 | 構造把握 |
2 | ロジカルシンキング | |||
3 | 文献リサーチ・ヒアリング | |||
4 | 課題の設定 | 統計分析 | ||
5 | 会計・経営思考 | |||
6 | 計画を立てる | 計画の立て方 | プロジェクトマネジメント経験 | |
7 | 案件管理 | |||
8 | 企画提案 | |||
9 | 要員・資材調達 | |||
10 | 実行する | 実際の課題遂行 | 関係者の調整力 | |
11 | 品質管理 | |||
12 | コスト管理 | |||
13 | スケジュール管理 | |||
14 | 状況への対応 | トラブル時の判断力 | ||
15 | 方針転換、中止の判断力 |
いずれも業界や職種に関係なく、社内人として必要となる能力であると言えます。
これらを身につけておくことで、職場に影響されることなく活躍することができるのです。
2、人との関わり方
社内においては上司・部下との関わり方、社外については顧客や取引先とのコミュニケーションや、対応力を求められています。
これも高齢の未経験転職を想定しているからこそ、社内の年下上司であったり、大きく価値観の違う年下部下との関わり方についてテーマとしていると言えるでしょう。
人との関わり方 - ポータブルスキル一覧
コミュニケーションにおけるポイントを見ていきます。
# | 分類 | 主な関わり | 重要なスキル | |
---|---|---|---|---|
1 | 人との関わり方 | 社内の関わり | 上司との関わり | 自身への期待の把握 |
2 | 経営方針の理解 | |||
3 | 部下との関わり | モチベーション管理 | ||
4 | 稼働管理 | |||
5 | 社外との関わり | 顧客との関わり | サービス提供 | |
6 | 関係構築 | |||
7 | 営業力 | |||
8 | クレーム対応 | |||
9 | 取引先との関わり | 折衝力 |
同じ業種で再雇用されないベテランの活路
今でこそ転職はメジャーな選択肢となり、複数回転職している人もそう珍しくはなくなっていますが、つい10年前くらいまではまだまだ転職組は「負け組」「根性のない人」「どこに行ってもうまくいかない」と言われてしまう時代でした。
1つの会社(1つの業種)で勤めあげた人も多くいるものの、日本の海外への競争力低下も背景に、定年後はポンと別の業界に行かないといけなくなることが発生してきます。
例えば、長年電機メーカーに勤めてきた人が、定年後も同じ会社で再雇用されるかと言えば、よほど能力が評価されないと難しいでしょう。東芝の衰退やSHARPの外資への身売りは記憶に新しいところです。
韓国などの安く・悪くない海外製品に押されている状況で、電機メーカーがこれまでほど潤沢に人を雇えなくなっているのです。
そのような状況では、再雇用を希望する人は、どこか別の業界に活路を見出すしかありません。行き先は未来が明るく、人手が足りていない業界です。
特にAIやIoTなどのIT活用領域・経営思考に特化したコンサルティング領域などでは人手が足りず、少しでも見込みのある人は欲しいという状況になっています。
そこで、現役のうち電機に特化した知識・スキルだけではなく、どこに行ってもそこそこ働ける能力を身につけることで、将来成長産業でもそこそこ戦力になれることの大事さが強調されているのが現状です。
ポータブルスキルを身につけることは、個人にとっては仕事にあぶれず収入を確保するための、国にとっては成長産業に労働者を確保するための、重要なテーマになっているです。
▽未経験転職の心得とは?
35歳転職限界説は過去の話。ポータブルスキルを持って新しい世界へ。
ポータブルスキルは今後ますます重要になる
今後、日本では若い労働者の人口がどんどん減っていきます。
ポータブルスキルがあれば、そのような厳しい環境の中でも、業種・職種問わず実力を発揮し、自分で収入を維持することができます。
ぜひ業界に特化した知識のみでなく、ポータブルスキルという視点を持って仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか。
▽プログラミングもポータブルスキルです
プログラミングはロジカルシンキングが鍛えられて地頭もよくなる