コンサルティングと営業の違い。「コンサルティング営業」とは?ノルマは?
コンサルティングは営業ではない?
コンサルティングファームへの就職を希望する学生が増え、また転職市場でも存在感を増しているコンサルティングファーム。
「コンサル」と聞くと華々しいイメージもありますが、実際に何をしているのかは想像しづらいという方も多いかと思います。
実際に、コンサルは営業と同じと言われることもあり、ときには「コンサルティング営業」という言葉を見ることも。
そんな正体の見えづらいコンサルの仕事を知り、営業との違いを見ていきましょう。
筆者はハウスメーカーで営業を4年経験したのち、システム系の会社を経由してコンサルファームに転職をしています。
営業4年・コンサル3年の経験から、その違いをご紹介します。
今回のコンテンツです。
コンサルティングとは何か
営業とコンサルティングの違いを知るためには、コンサルティングが何かを知ることが近道です。
コンサルティングとは、以下のことをいいます。
企業(まれに行政など公共機関)などの役員(特に経営者が多い)に対して解決策を示し、その発展を助ける業務のこと。または、その業務を行うこと。対応する日本語はない。
「対応する日本語はない」というところに、コンサルティングのわかりづらさがありそうです。
近くて遠いコンサルの世界
コンサルティングと営業の違い
念のため営業についても確認しておきます。
営利を目的として業務を行うことをいう。ここから転じて、ある特定の行為が営業と言い習わされている。また企業活動の集合体をさす言葉としても用いられる。
営業は幅広く「営利目的の業務」であるのに対し、コンサルティングは支援のニュアンスが強そうです。
言葉ではこの程度しかわかりませんが、もう少し具体的にエピソードで違いを見てみましょう。
営業は物売りーコンサルはアイデア・ノウハウ売り
一般的に「営業マン」「セールスパーソン」という時、どのようなものを売っているでしょうか。
- マンション・戸建て住宅
- クレジットカード・株・国債
- 家具・家電 など
多くの場合、形のある物や、仕組みの決まった商品を売っています。
決まったものを、どのように説明して、重要性を感じてもらい、買ってもらうかが営業の仕事になります。
そして、お客さんが「物」が気に入らない場合には、いくら説明やセールストークが上手でも売れません。
それに対し、コンサルティングの場合には商品のかたちが決まっておらず、「経営戦略立案の支援」など、姿のないサービスを提供することになります。
レポートを提出することもありますが、レポートが重要なのではなく、お客さんの目的を果たすためのプロセスやノウハウを提供することがコンサルの特徴です。
「無形商材」と呼ばれる商品を売る人がコンサルとも言えます。
コンサルティングの商品は自分
コンサルティングでサービスとして提供するアイデア・ノウハウは、人によって異なるものです。
車の営業であれば、販売する車は誰が売っても同じですが、コンサルティングによる「アイデア」「ノウハウ」はコンサルタントのレベルでも異なってくるものです。
そのため、自分のレベルが上がれば上がるほど受注がしやすくなる半面、難易度も高いといえます。
自分の提供できる商品の「質」が良くなるまでは、マネジャーの協力を得ながら、案件の中で学び、スキルアップしていくことが求められます。
「コンサルティング営業」とは?
「コンサルティング営業」という言葉を耳にすることもありますが、どのような意味があるのでしょうか。
思い出してみると、よく見かけるのはシステム営業や保険の営業ではないでしょうか。
システムや保険は形の決まった「物」を売っているのではなく、使いやすいシステムの設計・プログラミング能力であり、保険の組み合わせ・支払額によるライフプランの提案力を売りにしています。
この形のないノウハウの営業が「コンサルティング的」といえるため、コンサルティング営業と呼んでいるものと考えられます。
「営業」付きは若手もノルマあり
では、コンサルティングとコンサルティング営業の違いは何でしょうか。
明確な定義はありませんが、筆者の経験からは「若手でもノルマがあるのが営業。マネジャー以上がノルマを追うのがコンサルティング」と感じます。
いわゆる営業会社は、新人が研修を終えると小さなノルマを持ち、達成度次第で給料や上司の態度(!)に違いが出てきます。
それに対しコンサルファームは、非管理職のうちは基本的に案件を成功させることに注力するケースが多いです。案件ごとの性質を理解し、調査・プレゼン・最終報告をデリバリー(=サービスの提供)し切ることがミッションであり、ノルマはありません。
その点で、コンサルファームは若手のうちに商品(=自分)を磨き、管理職になってから営業をこなすという体制になっているといえるでしょう。
営業職が悪いということは全くありませんが、営業職で新卒からベテランまで、同じ商品を売るノルマに追われるより、コンサルタントで自分を磨く時間があってから、自分を商品とした営業に出られた方が、自分の市場価値も上げやすいという考え方もあるかと思います。
20年同じ商品を売って、成長できる?
自分を磨いてコンサルティングを売ろう
何かを売って利益を出そうという点では営業もコンサルティングも同じですが、大きな違いは売り物、そしてノルマを背負うまでの時間です。
筆者は営業として社会人1年目からノルマを持ち、定型のセールストークで売り上げを出してきましたが、やはり商品に成績が依存してしまう点が嫌でした。
商品に人気があり売りやすかったとしても、それは自力で売っているのではなくブランドや商品力で売れているため、営業力は身につきにくいものです。
自分で「売れるスキル」を身につけたい!という気持ちをお持ちの方は、コンサルティングはよい選択肢になるかと思います。
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