コンサルファームでは1年で3年分の成長ができる。Yes or No?
コンサルティングファームは成長できる?
コンサルティングファームの存在が日本でも知られ始めた頃、「コンサルティングファームでは1年で3年分の成長ができる」というフレーズがありました。
求められるアウトプットの質や、その激務な環境から通常の3倍は成長できると言われたものです。
筆者はコンサル職に転職して3年になりますが、成長を求めて多くの優秀な若手が入社してきます。果たして彼らは他業種の3倍の成長をしているのでしょうか。
コンサルティングファームでの成長
コンサルティングファームで担当する仕事はダイナミックな案件であることが多く、確かに他業種の3倍成長できると言っても過言ではありません。
特に優秀な若手にとっては、他社では経験できないような大規模の案件を任されることも珍しくないため、やりがいとともに大きな成長を得られる環境と言えるでしょう。
以下は成長に繋がる主な要因です。
- 常に難易度の高い仕事を経験する
- 刺激的なメンバーに囲まれる
- 要求水準が高い
- 若手から責任を持つ
- 昇進が早い
- 成長しないと仕事がない
1.常に難易度の高い仕事を経験する
コンサルティングファームでの仕事はプロジェクト制です。
クライアント企業から依頼をされた業務内容に対し、チームを組んで取り組むことになりますが、難易度の高い仕事ばかりです。
コンサルタントは高い報酬を得てクライアントの仕事をサポートします。月300万程度であれば驚くことはない金額です。そのため、高い難易度の仕事でなければそもそも依頼をされないという背景があり、常に難易度の高い仕事に取り組むことになるのです。
その結果、他社で仕事をしている同期の人とは、経験する山場の数が大きく違ってきます。これが成長の理由です。
事業会社(=コンサルティングファーム以外の会社)では年に3カ月、ハードな仕事が発生するとした場合、事業会社の社員は12カ月中3カ月ハードな仕事をし、その分成長することになります。
それに対して、コンサルタントはそのすべてに3カ月ごとに関わることとなるため、12カ月通してすべてハードな仕事をすることになるのです。
高い山を登り続ける。それがコンサルタント
2.刺激的なメンバーに囲まれる
また、関係者がみな優秀であることも成長の源。
身内のコンサルタント、クライアント社員、その他外部ベンダーなど関係者すべてに言えることです。
高いコンサルタント代(コンサルフィー)を払ってまで成功させたい案件は、クライアントにとっても重要度が高いと言えます。そのため、クライアント企業も精鋭を揃えてくる場合が多いです。
はったりの通用しない環境で、優秀なビジネスマンに囲まれることで、自身の成長が促進されることは間違いありません。
3.要求水準が高い
月300万程度の報酬をクライアントに請求するには、相応のクオリティの仕事・成果物を作成する必要があります。
そのため、クライアントからも上司からも、高いレベルでの仕事を要求されることになります。
良くも悪くも、背伸び(ストレッチ)をし続けることが仕事のレベルを上げることとなり、ビジネスパーソンとして非常に高水準のスキルが身についていきます。
コンサルタントは総じてストイック。貪欲に成果を求める
4.若手から責任を持つ
コンサルファームはストレッチを利かせることでコンサルタントを成長させ、また安い賃金で利益を出そうとします。
具体的には、給料も能力も高いAさんより、どちらも低いBさんで案件を回せた方が、会社としては多くの利益が残り、かつBさんが背伸びをして成長してくれる可能性もあるような場合です。
若手は最初のうちは給料が低く設定されており、「お試し」として様々な案件に参画する機会が与えられますが、そこで成果を求められることで、案件の性質を問わず成果を出す方法を習得することになります。
5.昇進が早い
コンサルファームには昇進が早いという特徴があります。
事業会社と異なり、以下の条件があるため、昇進の枠が多く、若手でも早くから大きな仕事を持ちやすいのです。
- 利益の追求・コスト管理の概念が強いため、利益が出やすく、昇進枠が多く確保できる
- 勤続年数ではなく能力・あげた収益で評価される
責任感を持っている人とそうでない人では、仕事に対する意識・成長率が全く違います。昇進が早く、責任をとる役職(ポジション)に早くに就くことも成長をもたらす要因となっています。
責任感は成長に繋がる
6.成長しないと仕事がない
コンサルファームでは、案件を持っているマネジャーが、成功に必要なメンバーを探して参画(アサイン)させることでプロジェクトが始まります。
そのときに、優秀なメンバーからお声がかかることになるため、成長できない人はいつまでも仕事がない状態になります。
すぐにクビにはならないものの、長い間仕事がない状態では居心地も悪くなり、最後は自主退社するケースもあります。
成長なくして仕事なし、という危機感も成長を促す要因となるでしょう。
▼コンサルファームのニート社員の実態
コンサルタントは1年で3年分成長する
コンサルファーム以外の企業でも、これらの特徴をもっている企業はあるかと思いますが、圧倒的に少なりというのが現状ではないでしょうか。
プロジェクト制という考え方は従来の大手企業には少なく、また仕事の成果に対してもコンサルファームは圧倒的に貪欲と言えます。
図書館に入ると誰もが静かになるように、環境は簡単に人を変えるもの。
コンサルティングファームには成長を促す空気が流れています。
▽コンサルファームの情報
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